一条工務店の高性能住宅を支えるセントラル熱交換換気システム「ロスガード90」。
ロスガード90の性能やデメリットについて考えたいと思います。
ただ、実際に使ってみて正直デメリットってあまりないんですよね。
ロスガード90の性能
熱交換効率が90%!
名前についている「90」とはこの熱交換効率のことなんですね。
例えば外気が0℃で室内が20℃の場合に、18℃(20℃の90%)で換気が出来るということです。
寒い冬や暑い夏に、窓を開けなくても換気が出来るので快適ですよね。
省エネ設計で電気代もそれほどかからない
24時間換気システムを稼働させておいたら電気代は大丈夫なのと心配になりますが、いろいろな方のブログを読み漁った結果、だいたい月に1,000円~2000円以内には収まりそうです。
家の広さに大きくかかわってくると思うのであくまで目安程度にしてください。
換気をしながら、家の内部の温度はあまり変化しなくてこの電気代なんですから驚きです。
本当は仕様書などの資料から電気代を計算しようと思ったんですが、ロスガードの仕様書を探したんですが見つかりませんでした。
湿度コントロール
「湿度交換」機能であって「除湿機能」でも「加湿機能」でもないので注意が必要です。
現在ではオプションで選べるようになっている「さらぽか」を採用している方であれば、デシカント空調となっているので除湿機能が付いています。
また、新たに2019年9月から発売?試験的に導入?された「うるケア」は加湿機能が付いています。
これどっちも良いとこどり採用はできないんですかね。完全に湿度コントロールできるようになれば最強だと思うんですよね。
微細な物質を取り除くことができるフィルター
使用できるフィルターは「高性能給気フィルター」と「高性能給気フィルター(PM2.5対応)」の2種類から選ぶことが出来ます。
PM2.5対応フィルターを使用した場合は上記の図にもある下記の有害物質を取り除くことが出来ます。
- 花粉、99%
- カビの胞子、99%
- 黄砂、99%
- PM2.5、95%
ただ、PM2.5対応フィルターのようにフィルターが細かくなると捕集することは出来ますが、すぐに目詰まりを起こすため交換ペースが速くなります。
1台で換気可能なのは50坪くらいまで
一度、ロスガードの点検ランプが点灯して点検をしてもらったのですが、その時に業者の人に話を聞きました。
また、ロスガードってどこで風量の調整されているのかなと思ったんですが、運転等の操作をするリモコンの下に隠されていました。
このカバーを外すと…
緑のランプの左側にあるON/OFFを切り替えたパターンで風量を調整しているようです。
※ただし、各家の広さに合わせて調整されています。勝手に自分で調整するのは止めましょう。
ロスガード90のデメリット
音がうるさい(対策済み)
MAX社のロスガード改良されて音が小さくなっているうえに、現在の蓋は扉のように見えますが1枚板がネジ止めされているため、従来に比べさらに防音性能がアップしています。
私が契約した2018年内に改良されたようです。
これによってほとんど音が外部に漏れないようになっています。
我が家では一応音対策としてウォークインクローゼットの中に設置してありますが、周りの部屋には一切聞こえません。
従来のクローゼットの扉のように見えるのですが、赤枠にあるようにネジ止めされています。(合計で8か所以上ねじ止めされていたかな)
隣接しているトイレでも全く音は聞こえません。
ロスガードの音がうるさいとクレームがでていたためか対策に力が入っていますね。
扉の形状がなぜこうなっているのか聞いたところ、以前の名残とも言っていましたが景観を損なわないためかなと私は思っています。
思った以上に乾燥する(新商品あり)
冬は床暖房も相まってか、かなり乾燥します。(人によってはそこまでひどく乾燥しないと書かれているブログもあります。)
我が家でも各部屋で加湿をしないとすぐに30~40%くらいになり、朝起きると喉が痛くなるほどでした。
さきほどにも説明した2019年9月から「ロスガード90 うるケア」というものが登場し、加湿もできるようになりました。
欠点をひとつひとつ改善していってますね。
取り込んだ空気はフィルターを通しても汚れている
給気フィルターを通すことにより外からの汚れを取っていますが、完全に取り除くことは出来ていません。
PM2.5対応のフィルターを付けていても、給気口(SA)から出てくる空気は汚れているようです。
PM2.5対応フィルターを変えて給気口(SA)にもエアコンなどに付けるフィルターを付けて対策をしている方もいますが、業者の方からはロスガード自体に負荷がかかるため出来ればやめてほしいと言っていました。
給気口(SA)の真下は風が当たるので寒い(設計で対策可能)
高性能の熱交換システムとはいえ家の外と中で温度差があると、冬は冷たい空気が夏は生暖かい空気が頭上から降り注いできます。
なので給気口は出来るだけ人が留まることがない場所にするのがベストでしょう。
ソファーや机など、何か作業をするところの真上に給気口置くのだけは避けましょう。
熱交換フィルターを通すかはロスガードが自動で調整する
2013年ごろから変わったMAX社の第2世代のロスガードは外気を取り込んだ際に熱交換フィルターを通すかどうかを自動で調整しています。
第一世代のロスガード(ダイキン製)は普通換気という機能がリモコンから調整できます。
自動調整で一見便利そうな機能ですが、排気口の位置をうまく考えておかないと我が家みたいな問題が起きます。
勘が鋭い方は気づいたかもしれませんが、例えば、暑い夏に排気口の設置場所が日の当たる場所になっており、排気口付近の気温が上昇したとします。
すると、外気温と差があまりないとロスガードが認識し、熱交換フィルターを使用せずに外気を自動で取り込んでくれます。
各部屋で冷房を掛けて部屋を冷やしていた場合、ロスガードから取り込まれた暖かい外気が冷房の効いている部屋に直接(集塵フィルターは通りますが)流れ込みます。
そのため、せっかく冷やしている部屋に熱を持った空気が流れ込むことになり、電気代がかさむだけでなく給気口からのモアモアっとした空気が頭上に降りかかります。(冷房の効いた部屋にいるはずなのに生ぬるい風を受けるので結構気持ち悪いです。)
このことを設計時に知っていれば・・・排気口の位置を今のような日当たりのいい南ではなくしっかり考えたのに・・・。
しっかり設計士が注意点として教えてほしかったです。
これから一条工務店で家を建てる人は排気口の位置もしっかり確認してください。
さらにこの機能ちょっと弱点がありまして。。。
家の室温 > 外気温 、家の室温 < 外気温のような極端な差の場合の夏・冬の時は良いとして、春・秋等の中間の気温の時にデメリットになります。
外の方が涼しい時ってありますよね。その時に外気を取り込んでくれればいいんですが、家の室温 > 外気温 のため外の空気を直接取り込んでくれません。
そのため窓に網戸が必要になってきます。
例えばこの制御を、18度以上25度以下の場合は外気を取り込むのような設定が自由にできるようになるとかなりいいものになるのではないでしょうか。
ランニングコストがかかる
電化製品なのでどうしても電気代がかかります。
それに加えフィルター代もかかるので、電気代と合わせて年間2~3万程度維持費がかかります。
寿命
ロスガードも電化製品の一種なのでエアコン同様10年くらいが寿命の目安になると思います。
寿命を迎えた後に交換する場合いくら費用が掛かるのでしょうか…また、ダクト(配管内)はきれいなのでしょうか・・・?
家の大きさによってもかかる負荷は変わってくるので30坪の家と45坪の家のロスガードだと寿命も変わってきそうですね。
MAX50坪だとすると、30坪だと60%のパワーで良くて45坪だと90%のパワーで稼働し続けなければなりません。
必然的に坪数が広い家だとロスガードの耐久年数が減りそうです。
まとめ
ロスガード90はランニングコストやフィルター交換の手間もかかわるわけですが、高性能な一条工務店の家においては必要不可欠な存在になります。
2階建ての場合は、2階に設置しないといけないや、壁に面してないといけないなど特別なルール(一条ルール)を加味して考えなくてはなりません。
ロスガードの特性・デメリットを踏まえた上でしっかりと間取りを考えて設計する必要があります。
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