一条工務店の「さらぽか」は、通常のロスガード90に比べてどうなのでしょうか?
宿泊体験棟で実際に体験して我が家では採用しませんでしたが、メリット・デメリットについて考えてみました。
採用するか悩んでいる方の参考になれば幸いです。
さらぽかの仕組み
顕熱ローターは温度を、デシカントローターは湿度を交換して、ある程度までの除湿と保湿をしてくれるようです。(加湿はできません)
湿度管理のほかには、冬に使っている床暖房の床下パイプに水を流し、冷えた空気を天井埋込サーキュレーターを使うことにより巻き上げることで涼しくする床冷房機能を備えています。
さらぽかの場合は、なぜデシカント式になるかというと、この床冷房を行うためだと推測できます。
湿度が高いまま冷たい水を流すと結露が発生してしまうため、それを防ぐためにデシカント式を採用したのだと思われます。
気になる電気代
調べてみると、電気代はさらぽかを使っていないときに比べて1.5倍~2倍くらいになっているようです。
我が家の冬の床暖房(1月)と春(5月)の電気代を比べてみましたが、床暖房なしの場合に比べて1.6倍でした。
快適に過ごせるとは言え、冬も夏も同じくらいの電気代だとするとお高いですね。
※家の広さや住んでいる地域の気候、太陽光の売電の種類(全量か余剰)にもよりますので参考程度にしてください。
メリット
調湿はデシカント任せ
なんといっても、さらぽか空調のデシカントに調湿は任せることが出来ます。
夏場であれば除湿してくれますし、冬場であれば保湿してくれます。
湿度はカタログ上、45~50%をキープと書いてありますが実際にはどうなんでしょうか。
実際に使用している方のブログ等を見ると、夏は快適と言っている人が多いですね。
冬については、妥協できる湿度と言っている人と加湿器は必要と言っている方がいます。
調べてみると家の広さが関係してそうです。
広い家(40坪以上)だとデシカントの保湿機能だけでは、厳しいという意見が多いように感じました。
冬は通常のロスガードに比べ加湿器が少なくて済む
さらぽか空調のデシカントでは加湿はできません。
室内と外の空気から湿度を保湿または除湿する機能です。
そのため、外の湿度が低い場合は家の中も少しずつ乾燥します。
広さにもよりますが、最低1台は加湿器が必要でしょう。
サーキュレーターは天井埋込のため場所に困らない
扇風機や普通に置くサーキュレーターの場合ってシーズンが終わったら置き場所に困りますよね。
天井埋込型ならその心配がいりませんね。(かなりのメリットだと個人的に感じます)
しかも、各部屋につくわけですから、かなりスペース省略になる気がします。
デメリット
施工費用が掛かる
私が打ち合わせしていた時では、坪当たり15,000円が上乗せで費用が掛かると言われていました。
30坪なら45万、40坪なら60万、50坪にすると75万近くかかることになります。
施工面積が小さければ費用対効果も高そうですが…値段はちょっと高いですよね。
急激な温度変化に対応できない
床暖房同様、床下のパイプに冷水(と言ってもすごい冷たい水を流すわけではない)を流して家の中を冷やします。
そのため、じわりじわりとゆっくり冷やされるために床暖房と同様に即効性はないのです。
急激に冷やすためにはエアコンを併用して冷やす必要があります。
足元だけ冷えて冷え性持ちには辛い?
上記でも説明した通り、床下パイプを通して冷やすため足元が冷たい状態になります。
冷え性を持っていない人であれば気になりませんが、冷え性持ちの人には辛い状況になると思います。
我が家の妻が冷え性持ちなので長時間いたらしんどそうと言っていました。
猛暑の時ではエアコンの併用も必要
パンフレットにも記載してありますが、さらぽかのみではなくエアコンと併用して使用することが推奨されています。
暑すぎる場合はエアコンも同時に使用しましょうとなっているわけです。
宿泊体験棟で体験してみて、我が家では暑がりも多いことからエアコンは絶対使うでしょ!ということでさらぽかは採用しませんでした。
床冷房はエアコンと同時には使えない
床暖房同様に床冷房はRAYエアコンの室外機を使用するため、RAYエアコンと同時には使用できません。
床冷房だけで暑い場合に床冷房を切らない場合は、エアコンが別途必要になります。
営業さんによっては、さらぽか入れたらエアコンは入れる人いないですと伝えてくる人もいるかもしれません。(私は言われました)
サーキュレーターやデシカントの音が大きい
宿泊体験棟では、サーキュレーターの音は大きいかなと感じましたが、デシカントの音についてはあまり気になりませんでした。
ロスガードと同様のしっかりとした防音対策がされているためだと思われます。
サーキュレーターは弱の設定にしておけばあまり気にならないですが、強にしておくと「ゴォー」という音が結構気になりました。
ある程度の音であれば、住んでいるうちに慣れそうですけどね。
実際の音を宿泊体験棟などで確認することをお勧めします。
サーキュレーターの掃除が必要
長く使うためには掃除が必要ですが、サーキュレーターの掃除って扇風機のように分解してやるのって恐らく難しいですよね。
表面のフィルターを外して掃除はできるようですが・・・。
キレイに使い続けるなら汚れてから数千円で購入できる扇風機の方が良いのではないでしょうか。
天井埋込サーキュレータのため資産評価が上がる
これは盲点だと思いますが、天井埋込サーキュレーターって固定資産税の計算基準となる家の資産評価が上がります。
ただでさえ評価が高い一条工務店の固定資産税がさらに高くなります。
電気代も上がるのに加え、固定資産も上がるのでダブルパンチ状態ですね。
メンテナンス費用
ここでいうメンテナンス費用とは、10数年経ってから機械に発生する費用になります。
標準使用期間 | メンテナンス費用 | |
ロスガード90 | 10年 | 約15万(モーター交換) |
デシカント | 10年 | 約37万(モーター交換) |
サーキュレーター | 8年 | 約3万(本体交換) |
標準のロスガード90ではモーター交換が予想され、だいたい15万円くらいかかる想定となっています。
デシカントを使用しているさらぽか空調の場合は、だいたい37万円くらいかかる想定となっています。ロスガードの倍以上ですね。
それに加え、さらぽかではサーキュレーターを使用しているためこちらも交換が必要になり、1台当たり3万円かかってくる想定です。
電化製品ですから使用想定年数より長く使えるとは思いますが、「通常のロスガード90」と「さらぽか」ではかなりの差があります。
まだ新しい設備のため実際にはまだ交換費用は未知数です。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
メンテナンス費用と電気代がさらぽかに比べかからなそうなロスガード(お金)を取るか、除湿のさらぽか空調(快適)を取るか悩みどころですね。
デメリットの方が多くなってしまいましたが、比較的にコンパクトな家または平屋の場合は費用対効果高そうなので床冷房ありかなと私は思います。
ただ、今後のメンテナンス費用が通常のロスガードの倍以上することを考えると、さらぽかを採用せずに扇風機や床置きのサーキュレーターを使った方が良いかもしれません。
我が家はノーマルのロスガード90ですが十分快適に過ごせています。(冬は乾燥気味なのでかなり加湿していますが)
家での過ごし方などを考慮し、しっかり検討しましょう。
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